このくにのかたち(物理)

まちづくりやインフラの観点から日本について考察したい人間の雑記

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東京オリンピックの選手入場に採用!ドラゴンクエスト「序曲:ロトのテーマ」についてまとめてみた

東京オリンピック2020の開会式における選手入場でドラゴンクエストの序曲が使用されました。
国立競技場に鳴り響く勇壮なファンファーレに、また日本のゲーム音楽が国際的な式典で使用されるまでになったということに、胸が熱くなった人も多いのではないでしょうか。かくいう筆者もその一人です。
今回は、ドラゴンクエストの序曲についてまとめたいと思います。

開会式の様子

youtu.be

ドラゴンクエストの序曲を皮切りに、日本を代表するゲーム音楽とともに各国の選手団が入場しました。

使用されたゲーム音楽一覧

ドラゴンクエスト「序曲:ロトのテーマ」
ファイナルファンタジー「勝利のファンファーレ」
テイルズオブシリーズ「スレイのテーマ~導師~」
モンスターハンター「英雄の証」
キングダムハーツOlympus Coliseum -The Shining Sun」
クロノ・トリガー「カエルのテーマ」
エースコンバット「First Flight」
テイルズオブシリーズ「王都-威風堂々」
モンスターハンター「旅立ちの風」
クロノ・トリガー「ロボのテーマ」
ソニック・ザ・ヘッジホッグ「Star Light Zone」
ウイニングイレブン「eFootballwalk-on theme」
ファイナルファンタジー「MAIN THEME」
ファンタシースターユニバース「Guardians」
キングダムハーツHero’s Fanfare」
グラディウス「01 ACT I-1」
ニーア「イニシエノウタ」
サガシリーズ「魔界吟遊詩-サガシリーズメドレー2016 」
ソウルキャリバー「The Brave New Stage of History

(出典:ドラクエ、FF、モンハン日本生まれのゲーム音楽で選手入場/使用曲一覧 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

また、すべての選手が入場した後の"締め"にも序曲が使用されました。

ドラクエ関係者の反応

ドラクエシリーズの生みの親、堀井雄二さん

ドラクエファンで、アリーナの声優でもある中川翔子さん

スクウェア・エニックス ドラゴンクエストシリーズ チーフプロデューサー 市村龍太郎さん


ゲーム音楽の使用はいつ決まった?小山田氏辞任との関係は?

オリンピックの楽曲については、作曲担当の小山田圭吾氏が開会式の4日前に辞任の意向を示していました。
www3.nhk.or.jp

こうしたことから、今回のゲーム音楽の使用についても、小山田氏の辞任後に急遽変更して決まったのではと推測する声もSNS上では見られましたが、私はこれには懐疑的です。

というのも、開会式にドラクエの楽曲が使われるのでは、という噂はもっと前からあったからです。

6月末にはすでにドラクエの曲が使われるのではという噂はあった

少なくとも6/27の時点でゲーム音楽の使用が決まっていたと考えられます

なお、一応この時点では大会関係者からは、リハーサルでは「カムフラージュのためにダミー曲を流すこともある」と、ゲーム音楽の使用についてはお茶を濁していたようです。
news.yahoo.co.jp

ちなみに、小山田氏の辞任で変更となった箇所として、少なくとも開会式冒頭のカウントダウンの部分があるようです。
www.nikkansports.com

ドラクエの海外での知名度は?

まったくの無名という訳ではなくなってきている

ドラクエは海外では知名度が低いため、オリンピックで流す曲としては相応しくないのではないかという声もSNSではよく見られました。
確かに、ドラクエは日本で国民的RPGとして親しまれているほどの知名度を海外では持っているわけではありませんが、まったくの無名というわけでもないようです。

ドラゴンクエストシリーズは過去、商標上の問題から"DRAGON WARRIOR"というタイトルで海外で発売されていた経緯を持っています*1

海外でも"DRAGON QUEST"として本格的に発売されたのはドラゴンクエスト8からで、ドラクエ8は全世界で490万本、国内で370万本を売り上げています*2

ドラクエ9も海外だけで少なくとも105万本の売り上げ*3

オンラインであるドラクエ10は海外では発売されませんでしたが、最新作であるドラゴンクエスト11は全世界累計出荷・ダウンロード販売本数が600万本を達成しています(DQ11S含む)*4
国内と海外の販売本数の内訳は不明ですが、DQ8DQ9の売上から少なくとも100万本は超えていそうです。
海外での人気が圧倒的なFFシリーズにはかないませんが、まったくの無名という位置づけではなくなってきています

海外の反応

アメリカのTwitterでもDragon Questがトレンド1位となり、海外のゲームファンからも好意的な反応があったようです。


news.yahoo.co.jp

「序曲:ロトのテーマ」とは?

ドラクエ3の楽曲

今回使用された楽曲名は「序曲:ロトのテーマ」と公表されていました。
通常、ドラクエでおなじみのテーマソングは「序曲」と呼ばれていますが、「ロトのテーマ」とは何を指しているのでしょうか。

「ロトのテーマ」とは序曲のアレンジのひとつで、ドラクエ3で使用されている楽曲になります。
行進曲風のリズムを刻むことが特徴で、まさにオリンピックの選手入場にもぴったりのアレンジ曲とも言えます。
また、「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」は発売当時様々な社会現象を引き起こし、ドラクエの国民的ゲームとしての地位を確立した、文字通り伝説的な作品。
序曲にはいくつかのアレンジがありますが、あえてドラクエ3の「ロトのテーマ」を選ぶあたり、開会式の製作陣のこだわりを感じますね。

序曲は5分でできた!?

序曲は、初代ドラゴンクエストから使用されているドラクエのオープニングテーマ曲。
そんな序曲を作曲したのは、ドラゴンクエストシリーズの音楽を手がけている作曲家すぎやまこういち氏。
亜麻色の髪の乙女」などの昭和歌謡の作曲でも知られています。
2020年には文化功労者にも選ばれました*5

序曲は、わずか5分で作曲されたといわれています。
すぎやまこういち氏はこのことについて、「ドラゴンクエストの『序曲』を作ったとき、僕は54歳の時です。ですから、『序曲』が出来上がるまでには『5分+54年』と考えてください。つまり、僕の54年間の人生が無ければ、あの『序曲』は出来なかったわけです。」とも語っています*6

まとめ

本記事では、ドラゴンクエスト「序曲:ロトのテーマ」についてまとめました。
日本のゲーム音楽がオリンピックで使用されるまでになったことはとても感慨深いですね。

出典・参考