このくにのかたち(物理)

まちづくりやインフラの観点から日本について考察したい人間の雑記

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この国を俯瞰する

記念すべき第1回記事では,日本を様々な面から捉えた地図から,日本の性質を整理してみたいと思います.

 

人口

まずは人口の分布から.下の地図は,1kmメッシュごとの人口によって色分けをして表したものです.(出典:統計局ホームページ/地域メッシュ統計の集計結果

こういう地図って色分けする数値の幅次第で見せ方がいくらでも変わってしまうので読み解くのに注意が必要なんですが,今回はそこの議論はおいておきましょう(笑)

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人口の分布の偏りが一目瞭然ですね.やはり東京を中心とした首都圏,大阪を中心とした近畿圏,名古屋を中心とした中京圏のいわゆる3大都市圏が目立ちます.3大都市圏だけで日本の人口の半分以上を占めるというのもよくわかる人口の集中具合ですね.

その他の地方部では政令指定都市クラスの大都市のある場所が目立ちますね.札幌,仙台,新潟,広島,福岡,熊本なんかは存在感を示しています.

一方で,人がほとんどいない白い地域もかなり存在することがわかります.

 

標高

次は標高です.標高によって色分けした地図がこちら.(出典:地理院地図

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 山,多っ!国土のほとんどが標高200m(黄色)以上になっていますね.脊梁山脈とよく言うように,あたかも日本列島の背骨かのように山脈が列島を縦断しています.日本は国土の約4分の3が山地であると言われています(山地の定義にもよりますが…).

この地図をさきほどの人口の地図と見比べると,何か気づきませんか?そう,人口が集中しているエリアは概ね平地のエリアと重なりますよね.逆に言うと,人口の少ないエリアはほとんどが山地です.日本では,わずかな平地にへばりつくように人々が住んでいるわけですね.人口が集まる都市の形成に,地形というものが少なからぬ影響を与えていることを伺い知ることができます.

 

道路網

続いて,道路網です.下の図は,事業中や構想中のものも含めた,全国の高規格幹線道路を示したものです.(出典:道路:全国ミッシングリンクの整備 - 国土交通省

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一見,全国に高規格幹線道路が張り巡らされているようにも見えますが,よく見ると事業中や調査中の区間も多いですね.東北の日本海側や山陰,和歌山県の南部や四国の太平洋側など,いわゆる「太平洋ベルト」から外れている地域では整備がまだまだ,という印象です.道路網がよく整備されている地域も人口の多い地域と重なりますね.人口が多ければ,それだけ交通の需要もあり,経済的な重要度も高いので道路網の整備が進むのは当たり前と言えば当たり前なんですが,一方で道路網整備が遅れている地域との経済的な格差が広がる一方という懸念もありますよね.

 

まとめ

今回はいくつかの日本地図から日本の性質を整理してみました.皆さんは普段このように日本地図に示された情報をじっくり見る機会はあるでしょうか?全国を俯瞰し,かつ様々な視点のデータと見比べると見えてくるものも多いのではないかと思います.今回言及したこと以外にも,じっくり地図を見比べていると新たな発見があるかもしれませんね.

以上,駄文でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました.